矢三郎はふかふかの尻尾とまるんとした耳をつけた矢四郎を見て思わずため息をつく。今の世の中、人間の中にうまく紛れ込めないと狸としても致命的なのだが・・・
呆れ顔の矢三郎に矢四郎はその中途半端な姿のまま目に涙をためている。
「まったく、お前は気が弱すぎるんだ。」
我が弟ながら情けない・・・兄・矢一郎も気は小さいが変化には長けているし、矢次郎だってやる気はないが蛙に化け続けている実績がある。そして矢三郎は変化の上手さとあほさには定評があるというのに・・・
なぜこの弟だけがこんなに変化の才能がないのか。
「これじゃぁ心配で遊びに行けないではないか。」
こんな危なっかしい弟を一匹にするわけにいかず、なんだかんだと世話を見てしまう矢三郎だった。
あほな設定ですね。すんません。
実際、矢三郎さんはばんばん遊びに行きながらなんだかんだと弟を気にしてるどあほうです
すきすぎ。